【連載】あの頃… 17.「ウィズ・ハート・アンド・ヴォイス」

  • 2013.10.30 Wednesday
  • 20:19
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選曲ってのは難しいです。

当時、ボクの家には1,000枚ほどのCDがありました。その多くは吹奏楽のものでした。
当然、知ってる曲というのは、数千曲以上になると思われます。
しかし、その中で「やりたい」と思う曲ってのは、その半分以下。いや、さらにその半分以下かも。100曲くらいでしょうか?
その中でも、やれる曲ということになると、その半分くらい?
編成とか、難易度とか……、いろいろと要素はありますからね。50曲くらいかな。
そして、やるべき曲となるともう数曲にしぼられちゃうんですよ。
発表の場はコンクールなのか、コンサートなのか。あるいは、街角コンサートのようなポップな場なのか……。
生徒たちの得意不得意もあるわけだし。
ソロが吹ける子はどのパートなのか。
当然、強いパートもあれば、弱いパートもある。
もう、悩みまくります。
特に、それがコンクールの自由曲となると、その子たちの3年間の活動の集大成となるわけですから!

そうして、考えに考えて選曲して、2〜3曲くらい練習した年もあるけれど、ちょっとやったくらいでは、どの曲が最適なのかってのは、なかなか分からないんですよね。
まして、生徒たちに「どっちがいい?」なんて聞いたらかなりヤバイです。中学生なんて、自分の前にある楽譜しか見ていないし、メロディーだけ聞いて「この曲、いい曲だし」みたいな選曲をされたらオシマイです。
だから、最終的に生徒に問う時も、いわゆるメンタリズムは使いまくりました。
それでも、結果的に、「あぁ〜、今年は選曲でミスったな」なんて思った年も何度かはあります。やてみなくちゃ分からないってことは、どんな事でも同じなんでしょう。

さて、この年のコンクールの自由曲ですが……
当初はC.T.スミスの「フェスティバル・ヴァリエーションズ」で行く気まんまんでした。
チョー難曲ですが、この時の子たちなら、なんとかやっちゃうだろうと思ったわけです。
先走って、楽譜も買ってありました。てか、今でも持ってます(自腹でしたから♪)。

ところが、前年のコンクール全国大会のDVDを見て、「ウィズ・ハート・アンド・ヴォイス」に出逢ってしまったんですよ。
今思えば……、これが良かったのか悪かったのか?
同じ年に、東海市吹奏楽団も、この曲にするかどうかでかなり迷ってたみたいで、何度かメールのやり取りをしました。結局、東海市吹は別の曲にしたんですが……。

「ウィズ・ハート・アンド・ヴォイス」は、吹きやすいし、鳴りもいいし、ソロもオーボエやフルートなど、うちのバンドのソリスト的にはジャストフィットだったし……
ただし、とらえどころがなくて、作りにくい感じはしました。

練習は、前年の「ローマの祭」の時のように、「間に合うのか?」みたいな焦りは全然なかったです。むしろ、スイスイと進んでいってしまって、「ちょっと簡単すぎたか?」という疑問さえ途中では出てきました。

この年は、ソリストは充実していたし、個々の技量も過去最高だったと思います。
でも、全体のサウンドは、必ずしも最高とは言えない感じでした。
数年前(「春王」や「寄港地」の頃)のような透明感が感じられなかった。これは、結局バンドの老化現象なんだろうなと思ったりもしたのですが、どうなんだろう。練習がマンネリ化してきたことによる、ひとつの表れかもしれません。

一方、課題曲の「祈りの旅」は、選曲ミスですね。
とても良く出来てるいい曲なんですが、うちのバンドに合っていたかと言えば、答えはノーだったように思います。というか、一般的な中学生には難しすぎました。
バンドカラーからいけば、「鳥たちの神話」のが合っていたろうし、中学生的には「風之舞」のがふさわしかったでしょう。でも、コレもやってみなくちゃ分かりません。

結果は、知多地区大会は50点満点の1位で代表。
愛知県大会は、銀賞でした。
出演順が1番だったってのは、やはり影響が大きいです。おまけに、審査員の1人が開始時間を間違えて(主催者からの連絡ミスらしい)遅刻してきて、リハーサルが終わってからステージの袖で数十分待たされたことも影響がなかったとは言えません。満足出来る演奏だったかと言われれば、「はい」とは言えないかな……。

でも、中日コンクールの演奏は楽しかった。
毎年そうだけど、中日の時の方がいい演奏が出来るんですよ。「上の大会へ」みたいな変な力みがないんでしょうね。
この時はノーカットでやったんだけど、指揮をしていたボクが、珍しく(!)降り間違えました。てか、ドコやってんのか分かんなくなって見失った?!
毎回、暗譜しているので楽譜は見ないで指揮していたのですが、あまりにノリすぎてトリップしてたと言うか……(2小節後には復活しましたが)
気付いた生徒たちは苦笑いですよ。よくフォローしてくれました。ホント、いい子たちです。

この時の苦しいいいわけ……
「おまえたちの演奏があんまり良かったもんだから、音楽に酔っちゃって指揮を忘れちゃったじゃん。」
生徒たち、むしろ喜んでました。
今なら、はやりの土下座ものですな。


これが、乙川中学校での最後のコンクール。
やりたかった曲で、やれなかった曲はたくさんあります。
今、乙川中を去って、先生を辞めて、吹奏楽からはなれて、悔やまれるのは「あの曲もやっとけば良かった」っていう曲が何曲もあることかな……。
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