2.4℃/-12.9℃
22日に公表された高校の新学習指導要領案は
「英語の授業は英語で行うことを基本とする」と明記したそうです。
文法中心だった教育内容を見直し、英会話力などのアップを目指すのが狙いだとか……。
文部科学省は「まず教員が自ら積極的に用いる態度を見せるべきだ」と説明しているそうですが……。
これって、本当に可能なんですか?
そもそも英語の先生が、英語で1時間授業を出来るだけの英語力をもっているのでしょうか?
近所の農家の方に、「ちいさまは大学を出てるんだから英語はPERAPERAだね。」と言われて、ある文書の解読を頼まれたことがあるんですが……、ちんぷんかんぷんでした。
それが現実ですよ。
中学・高校で習ってきた英語は文法中心の非実用的なものだし、大学の授業も1,2年生の週2時間だけで、内容は中高と大差なかったし……。
ただ、若い頃、Hollywood映画とかをよく観ていたせいか、妙に発音だけは良かったようで、高校の時にクラスに来てた留学生にも、「英語らしい発音しているね」って言われたことはありますが……。
そ
ういえば、乙川中学校で先生している時も、AustraliaのBandが親善演奏に来た時、引率で着いてきた団長さんにも言われました。「先生の発音が一番きれい」って。
ま、そういう自慢はともかく……
じゃぱにーずいんぐりっしゅな発音で、意味の分からない英語を1時間聞かされる生徒も可哀想だし、
先生だって、
英語の分からない生徒に英語で説明する難しさといったら、ハンパじゃないでしょ?
ますます分からなくなるんじゃないのかな?
そもそも、大学入試が
glamor(文法)や
読解中心なんだから、その辺りから改革していかなくちゃ机上の空論でしょうね。
生徒や、世間もそうかも知れないけど(文部科学省のお役人も?)、
先生なら何でも知っている、何でも出来ると思ってませんか?
先生、つまり教師は、けして
万能の物知りぢゃないんですよ!
教師はですね、
教えるプロなんです。
特に高校の英語の先生なら、大学入試の対策として、文法や読解の仕方を教えることにかけてはprofessionalなんでしょうが、こんな大げさな方向転換には対応できないでしょうね。
そういえば、ボクの高校の時のある先生が、
「夏休みにアメリカに遊びに行ってきたけど、アメリカ人のしゃべっている英語の半分も理解できなかったし、自分の英語もほとんど伝わらなかった」と正直に話してくれて苦笑いしていました。
それが現実です。
だからといって、その先生に幻滅したり軽蔑したりはしませんでしたよ。
生徒も割り切ってるんです。
ボクも英語は好きだし、いまだに映画は原語で見たい方だけど、英語の授業は嫌いでしたね。
英語を話せるようになりたかったら、英会話教室に通えば良いんですよ。
でもね……
大学のドイツ語の授業は楽しかったです。
先生がよく遅刻してきまして……
始業時刻から30分経っても先生が来なかったら休講になるんだけど、たいてい29分くらいたってから来るんです。
その頃になると、待っていた学生もぽつりぽつりと(もう休講だなって感じで)いなくなって、数名しか残ってなかったりして……
そういう教室に先生が入って来ると、
「あれ、今日は少ないですねぇ〜。お待たせしたお詫びに、今日は(大学内の)喫茶で授業をしましょう。わたしがごちそうしますよ。」
ってなるコトがあったんです。
ただし、会食中はドイツ語しか話しちゃいけないというルールで、しかも、日本語を話すと罰金(1回10円)をとられたり……
みんな寡黙になるんだけど、先生がごちゃごちゃと話しかけてくるからシカトもできないし……
あの頃、なんとなくドイツ語にはcomplexとかなかったような……
楽しかったですからね。
ま、今ではほとんど忘れてしまっていますが……
こんな悠長な授業、大学だから出来たんですよね。
受検を目の前にひかえた高校生には無理でしょう。
文部科学省のみなさん、もう少し現実を理解するために現場を見ましょうよ。
でないと、またどこかの知事から「バカ」って言われちゃいますよ。